私が心臓病で大学病院の外来を受診したのは15年前でした。最初の診察の時に「まず体重を減らしましょうね」と言われ、私は「またか」という悲観的な思いにかられました。
これまでダイエットに挑戦してはリバウンドを繰り返し、今回も成功するとは思えなかったからです。しかし先生は優しく「心配しなくても大丈夫ですよ。今まで失敗なさったのは、無理なダイエットをなさったからですよ。そんな方々のために、新しい方法を考えましたから、まずはやってみてください」と言われました。このときのお医者様が藤野先生でした。そして管理栄養士の方からそのやり方を教えていただきました。この病気は体重管理が必須なのですが、私には予想外の話ばかりで、半信半疑でした。それでも運動しても、食事量を減らしてもうまくいかなかっただけに、藁にもすがる思いで話していただいた通りのことを忠実に実行してみました。
まずは「一日一快食を」という事でしたので、一日のうちで一番ゆっくり出来る夕食を「快食」と決めましたが、「好きな物を好きな量だけ・・・ただし、健康に良くて自分の好きな物の中から」と言われても、なかなか何を食べれば良いのかが浮かびませんでした。その時に頼りになったのが、「伝統的な和食の中から」というアドバイスです。旬の野菜の煮物、焼き魚、お味噌汁、そして自家製のお漬物。いつもは控えめに食べていましたが、満足するまで食べました。朝食は、水分中心との事でしたので、紅茶に黒砂糖を加えたものを飲みました。今までは、何となく習慣でトーストを食べていたのですが、黒砂糖紅茶だけで、かえって身体が軽く感じました。お昼は、補助食品のエンリリースとおにぎりを1個。3時頃、お腹が減った時には、黒砂糖を食べました。ダイエットと言えば、カロリーを制限して苦しいイメージがあったのですが、きつい思いをする事もなく1ヶ月に1キロずつ、ゆっくりとですが痩せていきました。洋服のサイズも、13号から9号になり、周りの方からも顔色が良くなったねと言われるようになりました。
今では、「あれが食べたい」と思い浮かんできて、食事を楽しみに待つようになりました。いつの間にか、健康に良いものが好きになっていることにも気がつきました。何よりも嬉しいのは体重が減ったお陰で心臓の調子が良くなった事です。